強い軍隊は、何をしたのか?
古今東西を問わず、最強の精鋭と呼ばれてきた軍隊が共通して必ず実行してきたことが何であるか、御存知でしょうか?それは戦死した兵士の遺体を必ず回収したことです。そしてその為に、新たな犠牲を出すことすら厭わなかったそうです。瀕死の重傷ならともかく、戦死してしまった兵士の遺体を回収したところで、純軍事的には殆ど何の意味もありません。しかしながら末端の兵士にとって最大の関心事は、自分が万一戦死したら、その後自分の死体が、一体どの様に扱われるのか、という事なのです。死んだ後、放置されて鴉や野犬の餌になり、そのまま朽ち果てていくのと、戦友によって必ず回収され手厚く葬られるのとでは、個々の兵士の士気に、それこそ雲泥の差が生じます。普段の軍隊の行動から、自分の死後の遺体の扱いがわかるから、たとえどの様な苦境におかれようとも、個々の兵士が歯を食いしばって持ちこたえてくれたわけで、それだけ兵士のモラルが高く、自ずと強い軍隊になったのです。